エンディングノートって、なぜ必要?
実際に身近な人がなくなると、悲しみにくれている間も無く、葬儀のこと、供養のこと、そして相続のこと、決断をせまられる事務手続きが押し寄せてきます。
そして、どんなに心を尽くしたつもりでいても、あわただしい時間の中で、本当にこの形でよかったのか、もっと故人のためにしてあげられることがあったのではないか、と心の中に小さな悔いが残ってしまうこともあります。
でも、亡くなった人に問いかけることはかなわず、正解の出ない問いかけです。故人を想って決めたことなら、それが正解と考えましょうと私はいつも申し上げています。
遠方の親戚すじから、異論が出て、収拾がつかなくなったりしたら、ご遺族さまの疲労の色はますます濃くなるばかります。
こんな経験をすると、いつか自分が見送られる時には、家族に煩雑な手続きで大変な思いはさせたくない、葬儀や供養について自分の希望を伝えておきたい、そんな風に考える方も多いのではないでしょうか。
それが、終活の初めの一歩です。
エンディングノートとは、遺言のような法的拘束力はありませんが、自分の葬儀や供養についての希望や、友人・知人のリスト、資産についての情報、自分史やご家族へのメッセージ、延命治療に対する考え方など、もしもの時に残された人たちのために、記しておくものです。
ご両親などご高齢者にエンディングノートの記入を促すのは、縁起が悪くて、気が引けるなどと思う必要はなく、超高齢化の現代だからこそ、まだまだ自分で決定できる能力がある証拠として、おすすめしてみましょう。
可能なら、できる限りの希望をかなえてあげたいという気持ちで、前向きな終活をしましょう。
お気に入りの写真などを選んではさんでおくのも、いざという時にご自分の納得のもので最後に皆さまにご挨拶できるので、安心です。
さらに、天災や異常気象、さらに全世界でテロが頻発する現代において、ご自身のものも含めて、早い時期からの準備に早すぎるということはありません。
2世代で、一緒に、楽しくそれぞれの年代ならではのこだわりを比べながら、記入していくのも素敵です。
自分が逝った後の相続について、何かトラブルの元になるものはあるのか、ないのか、整理して、確認しておくいい機会にもなります。
資産に関する記入は、変化が発生した部分については、数年に一度見直して訂正することが当然可能ですし、エンディングノートに記入して、他人に見られてしまう心配を防ぐための、工夫や事例の紹介もできます。
もし、相続に関して、問題があることがわかったら、その時点で改めて、それを防ぐために必要な方法を考えて、準備をしていきましょう。
終活のはじめにエンディングノートです。